女の子の涙

なかなかブログを更新できなかったのは、

ちょっとだけしんどいことがあったりしてたのでした。

母子家庭になってから基本、悩みのタネはいつも同じ。

来月、どう生き延びるか、しのぐか。

それがだんだん、今月になってくるという……。

仕事は山ほどあるし、休みなく毎日働いている。なのに石川啄木という。

みなさん、ここ、笑うとこですよ!

ああ、長友佑都は母子家庭の星です。長男と同い年(ここは泣く)。

 

実は数日前、SNSで、

私が権力をふるっていいとこ取りをした簒奪者のような、

「決めつけ」を発見。

この泥舟の母子家庭のどこに、権力があるの?

実はそれが一番、グサリと、

心のやわらかな部分を抉ったのでした。

思い返すと泣くから、もう忘れます。

 

そんなハートブレイクだった私に、

ある女の子がステキなプレゼントをくれました。

友人の娘で、赤ちゃんの頃から知ってる子。

今は美大で日本画を学ぶべく、浪人中。

昨日の飲みに、両親と一緒に来ていて、

大人になって初めて、ちゃんと話しをしたのです。

彼女が日本画を目指すことにした決意とか聞き、

私はもう全面的に応援したいとエールを、心から。

 

そんななか、彼女はたまたま書店で手にとって、

『誕生日を知らない女の子』を読んだというのです。

それは私も両親から聞いていたし、

彼女は両親に開口一番、こう言ったそうです。

「すごい本だった。でも私が知っている黒川さんはいつも酔っ払い」

そうです、その通りです。

『誕生日を〜』の話になった途端、彼女の眼から、

一気に涙が溢れてきました。

私は目の前の光景が信じられず、ただただ驚くだけ。

真っ赤になった瞳を何度もぬぐいながら、

彼女はかわいそうで……と泣きじゃくる。

「明日香ちゃんがかわいそう。本当にかわいそう」

彼女は本の主人公のために泣いていたのです。

明日香ちゃん、遠い空の下にいる女の子が、

あなたのために泣いているよ。

明日香ちゃんへ、まだ見ぬ少女へそう伝えたい。

明日香ちゃん、よかったね! うれしいね!

 

なんかもう、これだけで十分だ、十分すぎると思いました。

虐待という過酷な環境を生き延びた少女のことを、

心から思って涙する存在がいる。

目の前の彼女は、そうして明日香ちゃんとつながっている。

だから、明日香ちゃんは一人じゃない。

たった1冊の本であっても、こうしてつながれることを目にし、

それはもう誰が書いたなんかどうでもよく、

ただ、その場に立ち会えた私はなんと幸せなんだろうと、

心がずっとうるうるしてました。

 

私に勇気をくれた、女の子の涙。

ステキなクリスマス・プレゼントをありがとう!

今までで一番、うれしいプレゼントを。

前に進もうと思います。倒れるなら、前に倒れようと。

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黒川祥子

黒川祥子

東京女子大学史学科卒業。弁護士秘書、業界紙記者を経てフリーに。
主に家族や子どもの問題を中心に、取 材・執筆活動を行う。
2013年、『誕生日を知らない女の子 虐待~その後の子どもたち』(集英社)で、第11 回開高健ノンフィクション賞受賞。
他の著作に『子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち』(集英 社)、橘由歩の筆名で『身内の犯行』(新潮社)ほか。
息子2人をもつシングルマザー。

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  1. 平井美希 より:

    車の運転をしている時、お風呂に入っている時、暮らしの中でふとした時に明日香ちゃんを思い出す度に涙が出る‥それは私くらいだろうと思っていて、その理由もわかっていますが、『誕生日‥』に固執しすぎなのかとも思っていました。しかし、そうではない事を確信できました。
    私はこの本を大切にし、微力ですが、静かに広めていきたいと思います。

    1. 黒川祥子 黒川祥子 より:

      ありがとうございます。とてもうれしい言葉です。

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