でっちあげのわけがない

まさかと、目を疑った。

「新潮45」の表紙に、「薬害でっちあげ」の文字。そして、その下に書かれた著者の名前。

しかも、その記事はトップ扱いだ。

怒りで身体が震え、その日は到底、仕事にならなかった。

そのジャーナリストと称する女性は一人も、被害少女に会っていない。その実態をその目で一度も見ることなく、記事を書く人のことを「ジャーナリスト」とは言わない。実態を見ないで、それを「でっちあげ」と断定できる人のことを「嘘つき」と呼ぶ。あるいは「捏造者」「扇動者」と。

厚労省でさえ、2945人の副反応を認めている。これほどの副反応数は、近年、例を見ないほどの「被害」が起きているのに、「でっちあげ」だと言えることの、どこが「科学的」なのだろう。

「あまりに非科学的な子宮頸がんワクチン阻止運動」と、その自称ジャーナリストは被害者連絡会の活動を「解釈」するが、なんと穿った見方だろう。

阻止の「運動」などではない。それは、母たちの藁をも掴む思いの結実なのだ。娘たちが子宮頸がんワクチンを打った結果、とんでもない状態にされてしまったことに対し、何とかしたい、いい方向へと持っていきたいと被害少女の母たちが手を携えた、それが被害者連絡会だ。そうでなければ、一個人の力などあまりにもろく、弱い。

少女たちは全員、子宮頸がんワクチンを打つまでは健康だった。国や自治体や学校が強力に進めた「子宮頸がんにならないワクチン」を打った結果、地獄に突き落とされた。はっきりしているのは、この事実だ。

これはでっちあげでもなければ、厚労省が言う「痛みに敏感な思春期少女特有の心因性」のものでも決してない。

そのありのままの状況は拙著で読んでほしいが、昨夜遅く、私が取材を重ねてきた少女の母からメールが届いた。

そのメールをぜひ、紹介したい。このワクチンの悪魔性をとくと、ご覧いただくために。

彼女は中1でワクチンをうち、中3から寝たきりの生活を送っている。間断なき頭痛、手足がバタンバタンと動く付随意運動、すべての記憶をなくす記憶障害などさまざまな副反応に苦しんでいるが、最も心配なのが食べ物が喉を通らない嚥下障害だ。固形物を飲み込むことがどうしてもできず、甘酒やジュースなどの流動食で文字通り、命をつないでいる。

本来なら今は高1。中学では生徒会活動を担うほど優秀で、陸上の800メートルを頑張っていた。きっと高校でも生き生きと、好奇心のままにさまざまなことに取り組んだことだろう。しかし、その「未来」はすべて、悪魔のワクチンによって奪われた。

以下、引用です。

ご無沙汰しています。ご連絡させていただきたいと思いながら、日々に追われてなかなか連絡できずにいました。

体重が30キロ台になってしまいました。

入院して点滴、内服、栄養剤を投与しましたが、やはり薬が合わず不調続きでした。それでも点滴の効果で、入院当日30.2キロだった体重が、32キロ台になりました。

点滴を外し、体重をキープできるか?というところですが……、明日、退院します。

いつになったら、どうしたら、食べれるようになるのでしょうか?

「一生、モグモグしかできないの?」と言う娘の言葉に、胸が張り裂けそうでした。

(注:「モグモグ」とは咀嚼して吐き出す行為。少しでも食べ物のエキスが流れてくれればと彼女が編み出した、生きるための営み)

今は15分ごとの「ばたばた」(注:不随意運動)に加え、5分ごとに意識を飛ばす(落ちる)ようになり、まったく目が離せない状況です。

おかげさまで7ヶ月間隔の記憶障害は回避できていますが、今回の薬剤投与で脳に何かしらの異変を感じ、強い頭痛に襲われていて、娘が記憶を失うのがこわい、と。

またまた、私の胸は張り裂けそうです。

どうぞ、黒川さんも体調を崩しませんように。遅い時間に失礼しました。

(注:数度の記憶障害の結果、彼女は今、排泄の仕方も忘れている。文字も書けない。東京での入院中、「モグモグ」できるものを作ってお見舞いに行ったが、そのお礼のカードも文字を見てなぞったものだった。でも日々、テレビや雑誌などからいろいろなことを吸収して「成長」している。その積み上げがまた、だるま落としのように一気になくなることを彼女は恐れている。記憶を無くすということへの恐怖は、私には想像ができない)

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記憶障害が起きる前、頭痛の激痛ゆえ、起きることができない状態で彼女が作った作品。

 

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黒川祥子

黒川祥子

東京女子大学史学科卒業。弁護士秘書、業界紙記者を経てフリーに。
主に家族や子どもの問題を中心に、取 材・執筆活動を行う。
2013年、『誕生日を知らない女の子 虐待~その後の子どもたち』(集英社)で、第11 回開高健ノンフィクション賞受賞。
他の著作に『子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち』(集英 社)、橘由歩の筆名で『身内の犯行』(新潮社)ほか。
息子2人をもつシングルマザー。

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